信越トレイル スキー縦走 2022/3/20-24 その①

山のこと

長野と新潟県境の里山を巡る全長110kmの「信越トレイル」
国内でも有数の豪雪地帯の信越トレイルを4泊5日ツエルトでスキーで縦走してきました!

天気

時折弱い降雪
朝と夕は晴れ間もあるが
終日ほぼ曇り 降雪あり
夕方までは曇り 夕方から晴れ
朝から晴れ お昼くらいから曇り
曇ったり晴れたり

ルート図・標高図

山行概要

以前から気になっていた信越トレイル。
2021年秋に元々の80kmから延伸され110kmのロングコースになったことは、なんとなく知っていて。
しかしながら2021年の秋はまだ怪我の影響で(2021年2月にスキー滑走中に転倒し、腓骨脛骨を骨折。 今現在もリハビリ中)、登山をやっと再開し始めた時で、秋に長期連休があったので揺れたけど、
今行ってもつらいだけで楽しめないだろうなー来年かなーとぼんやり考えたりしてました。(その代わりに箱根外輪山を1泊2日で縦走。)

今年の1月中旬にやっとスキーも復帰する気持ちになり遅めのシーズンイン。
BCにも何度か行くうちに、山スキーの魅力に取り憑かれてしまい、暇さえあればスキーをしていた、そんな今年の2月3月。
3月に5連休ができて、急に休み取れる友人もいないだろうしどうしようかなーと、思った時にふと頭に浮かんだのが、信越トレイルでした。

積雪期に4泊5日、それもソロで山に入る、なんていうのは初めてのことだったのですが、ダメだったらいつでも、降りて来たらいいんだし(幸い信越トレイルは長野側に降りてしまえば街があるので、エスケープはしやすい!)、
行けるところまで、やれるところまでやってみよう、と思いチャレンジしようと思いました。

0日目 2022/3/19(土) 自宅〜長野駅〜飯山駅〜斑尾高原

お昼までの仕事を終え、バタバタでパッキングを済ませ、電車に飛び乗る。

一応JRの規定では収納袋に入れてくださいということになっているので
裸で運びたい気持ちをこらえてビニール袋。
もっといい収納袋MYOGしたいが、ビニール袋は軽い。

電車で長野駅に向かい、そこから飯山駅を目指す。
電車から外を見る。道路が濡れている。ちょっと小雨?
アプローチで濡れるのやだなーと考えていると、飯山駅に到着。
飯山駅(駅前に大きいツルヤあり、ここでも補給可能)から斑尾高原に向かう最終バスに乗る。

片道500円。

乗客は私含め3名 飯山19:10発→斑尾高原山の家19:36着の最終バス

30分ほどバスに揺られ、斑尾高原山の家前で下車。
雪がちらついている。適当にその辺りで野宿。

1日目 2022/3/20(日) 斑尾高原ホテル〜万坂峠〜斑尾山〜万坂峠〜袴岳〜赤沼〜希望湖〜毛無山〜涌井

身支度を済ませ、斑尾高原ホテル近くの公衆トイレに立ち寄り出発。

新築?かな、とてもきれいで快適なトイレ

ここから万坂峠までは板を持ってスキーブーツで歩く。雪が降っている。
1時間半ほど舗装路を歩いて7:30頃万坂峠に到着。

一人なのでもちろん自撮り。冷たい雪が降っている。

斑尾山までの登るルートは斑尾高原側の登高も考えたが、スキー場に問い合わせたところ、ここ数日の温度上昇で、ゲレンデ内にクラックが入り、登ろうとしていたルート自体が閉鎖しているとのこと。万坂峠側なら….、とのことだったので、圧雪が終わり、スキー客が降りてくるまでの時間で、ゲレンデ脇のタングラムと斑尾高原の境目を登ることに。

用意してシールで登高開始。
荷物が重いせいかなかなかスピードが上がらない。どうせまた万坂峠に戻ってくるのだし、意地を張らず荷物デポってくればよかった、と後悔しながら、登る。

万坂峠横からハイクアップ
まだ試運転中のリフト上部

途中でタングラムの朝イチパトロール中のお姉さんが降りてくる。
「このルートも上部リフトが動き出すと人が降りて来ますので、コース外歩くようにお願いしますね〜。

お気をつけて行って来てください〜。」と。気をつけます、ありがとうございます。

途中ガリガリの急斜面な場所もあり、クトーを装着しながらも、なんとか斑尾高原側のスキー場最上部に9:20到着。

思ったより時間がかかってしまった。
そこから尾根に乗り、斑尾山頂を目指すが、ここも雪庇が落ちていたり、

かなりヒヤヒヤ。なるべく林の中をトラバースするように時間をかけながら登る。

数日前の足跡あり。でも怖くてここは歩けないので、
もう少し林側を歩いた。ビビりすぎ?

10:05 斑尾山山頂到着! 斑尾山頂が信越トレイルスタート地点。やっと。笑

ちょっと埋まってたので掘りました。

そして写真を撮ったら万坂峠に下降開始。途中まではアップダウンがあるのでシールをつけて下降。
タングラム側のスキー場まで戻って来て、アップダウンが無くなるところでシールを外して滑走。
10:50 万坂峠に戻ってくる。滑走は早い。行動食食べてちょっと休憩。
休憩を終えたところで袴岳に向け登高を開始。

登り始めてすぐにカモシカ先生がお出迎えしてくれた。かわいい。

1時間半ほど登って袴岳山頂着(1135m)。

特に何もなさすぎて、これが山頂写真だったかどうかも思い出せない。

袴岳は山スキー212にも載っており日曜日だし結構人が入っているかと思いきや、山頂で1人おじさんに会っただけ。
少し話をして、私は縦走路方面に行くのでお別れして、赤沼方面へ。
本当は忠実に縦走路を辿らなくても、BCルートを落とせば早かったのだが、
この時はまだ1日目で、なるべく信越トレイルのコースをたどりたいこだわりが強く(このこだわりも徐々に消えていきます。笑)

&1人だし、降雪後の沢を落とすのはちょっと怖かったので、縦走路をたどる。
途中からは林道に合流し、赤沼まで。
赤沼のビバーク適地に後ろ髪引かれつつ、まだ歩かなくてはいけないので先へ。

向こう側のウッドデッキっぽいところが入れそうだった。
かなりのビバーク適地。うう。

希望湖(のぞみこ)近くのアクアパーク斑尾(下水処理施設)の除雪最終地点に一台の車が。
人がいたので話しかけてみたら、なんと先ほど袴岳の山頂であったおじさま!
山頂で話した時に、今後の私の様子が気になり、どうやら様子を見にきてくれたみたい。

「やっぱり心配になっちゃって。女の子1人で縦走するって聞いたらさ〜。
今日はテレマークも持って来てたから、様子見に行こうと思って来たんだけど、行かなくて済んじゃったな〜笑」と言いながら、
今後のルートのことなどを細かく教えてくださった。この辺りはよく登られているようでした。

やはり、私が懸念していた通り、戸狩温泉上部の仏ヶ峰〜鍋倉間は相当悪いと思う、とのこと。

記録調べてもなかなか出てこなかったもんなー笑
色々話して、A3用紙6枚にわたる書き込み付きの地形図を持って来ているのを見て

「ちゃんと山やってるんだね、ちょっと安心したわ。」と。
私が逆の立場でもやっぱり心配になっちゃうと思います!ご心配ありがとうございました。
今日もまだまだ歩きたいので、お別れをして先へ進みます。

最後に差し入れまでいただいて、ありがたい限り。

16:20頃毛無山(1022m)山頂到着。この日2回目滑走モードに切り替え滑走。
標高800m付近からの滑走が楽しかった〜〜〜!真っ白い平原に自分だけ、眼前には志賀高原の山々が。

ここの地形が楽しかった〜〜〜!!!
これでもこの日一番の展望。笑

(途中で携帯を落とすハプニング。笑景色が気持ちよくて写真撮りながらだったので、
すぐ気がついて5分ほど登り返したところで発見。)
途中から林道に合流しつつ、順調に標高を落として、17:40頃涌井の集落に到着。

久しぶりの文明感。車がビュンビュン走ってる。

この日は当初の計画ではソブの池あたりまで進みたかったが、さすがに18時でもう日も沈むので、
集落近くトレイル上の平坦なところでビバーク(560m付近)。

まずまずの設営。もうちょっと弛みをなくしたいですね。

21時頃就寝。

2日目 2022/3/21(月) 涌井〜黒岩山〜桂池〜仏ヶ峰〜鍋倉山〜1150m付近

24時前に一度目がさめる。2度寝して1:20に起床。
寝起きは体温が下がっているのか震えが止まらない。温かいものをかき込む。

3:30前に出発。ヘッドライトで進む。

寒いのでさっさと出発

5:30 ソブの池通過。その後杉林をすすむ。

池っぽいの伝わりますかね?
こういうのって花粉症の人はつらいのかな。
寒かったら大丈夫なもの?

黒岩山の急斜面を登り返すと、信越トレイルお馴染みのあの東屋が!

信越おなじみ?のこの東屋
ここも埋まってないからビバークできそう。
妙高火打方面がかっこよかった。滑りたい。

記念撮影して先に進む。景色が見えている。昨日は展望ゼロだったので期待が高まる。
その後も黙々と進み、桂池通過し、1018mピークの東の谷地形部分の急斜面をキックターンで慎重に落とす。

桂池 池の真ん中を歩けるのは冬の特権♪
氷が薄いところにうさちゃんの足跡が。
飲みにきてるのかな〜。

そこからまた急斜面を登り返し、戸狩温泉スキー場上部を目指す。
ここで登山道沿いにルートをとればよかったものの、斜度が急かもと思い、早めに尾根に乗ってしまった。

実際はスキー場の古いルートがあったようで、登山道沿いに行った方が早かった。ミス。
途中の休憩中に電波を入れたらちょうど母親から「今電話できますか?」の連絡が。
折り返したら「今山?」と…。侮れない母親の勘….
どうやら母方の祖父がコロナで入院したとのこと。
まぁ何かあっても帰ってきたって会えないしとりあえず知らせとくね、と。

母親の電話に相槌を打ちながら、靴擦れ保護。
これでは保護力が弱く、その後テーピングも使ったりした。痛い。
難儀した急斜面

11:53 戸狩温泉スキー場の古いリフト上部到着。

現在は動かしていないようだった


ここまでは問題のない道。そしてこの先は今回のルートのおそらく核心部分。
気合いを入れ直す。そしてこのあたりから天気の雲行きが怪しくなって来た。

雪庇の張り出し&今までより細い尾根

仏ヶ峰までの道は長野県側に雪庇が張り出しており、怖いので、
かなり安全マージン取って、林の中をトラバースしながら進む。

ビビり散らかして林の中を進むので時間がかかる

12:58 仏ヶ峰山頂到着

一応山頂? 標識も何もないしわからない

その後も長野県側に雪庇の張り出しがあるルートが続く。
1154m小ピークを越え、1210m小ピークまではやや広めの尾根。

1154mピーク前からきた道を振り返る
1210mピークまでの若干の広めの尾根で
緊張をちょっと緩められる

その後、かなり尾根が細くなり急なアップダウンが続く。
スキーで登れない斜面がいくつかあったので、板を脱いで手に持って、
スキー靴で蹴り込みながら斜面を登る。幸いの下のガリガリバーンはちょっと緩めでアイゼンまでは必要なし。

シールで登ろうとすると結構大変
脱げばそんなに大したことないんだどね。
ずーーーーーっとこんな感じの斜面で
気持ちが疲れる。笑

下降もキックターンできないほどの細尾根で、慎重にカニ歩きで下る。
1194mピークあたりまでは緊張の連続だったが、鍋倉手前でスキーのトレースに合流し、人の存在にちょっと安心する

鍋倉手前からトレースを発見。久しぶりの人の気配にちょっと安心。


17:33 山スキーでお馴染みの鍋倉山到着(展望ゼロ)。そして17:47 黒倉山通過。

鍋倉山(1288m)
黒倉山(1242m)

12時くらいに戸狩温泉スキー場の古いリフト上部を出発してから5時間半。長かった….
黒倉山も越えてもうちょっと進みたかったが、ちょうど平らないい場所があったのと、

さすがに体の疲れも感じたので、ここで泊まることに。

18:02 2日目行動終了(1150m付近のコル)。22時頃就寝。

この日はわりと上手く張れた!
1日目 行動時間11時間48分
斑尾高原公衆トイレ(06:16)→万坂峠(07:28)→斑尾山(10:05)→万坂峠(10:50)→袴岳(12:48)→赤池(14:16)→希望湖(16:00)→毛無山(16:39)→涌井(17:44)→宿泊地(18:04)着
2日目 行動時間14時間36分
宿泊地(03:26)→ソブの池(05:30)→桂池(08:17)→戸狩温泉スキー場上部(11:53)→仏ヶ峰(12:57)→鍋倉山(17:33)→黒倉山(17:48)→宿泊地(18:02)着

その②に続く…..

コメント

  1. 中野泰弘 より:

    kanakoさん、記録読ませて頂きました。戸狩の稜線大変でしたね。トレイル完歩すると「踏破証」を発行してもらえるそうですが、積雪期の記録ってあるのかな?少なくとも苗場山までのスルーハイクはkanakoさんが最初でしょうね。
    あと、よくよく考えてみると、誰もいない山の中で会ったオジサンが先回りして待っていたなんて、怖いですよね。夜中目覚めて震えたのは、私のせいでしょうか?ごめんなさい🙇

    • kanako より:

      ナカノさん
      コメントありがとうございます!戸狩の稜線がやはり大変でした。登山の方が楽かもしれません。
      踏破証の申請してみたのですが、『信越トレイルは無積雪期のトレッキングルートとして管理運営されておりまして、雪上トレッキングを想定していません。
      積雪期は信越トレイル縦走という概念そのものがなく、歩かれる方には一般的な冬山登山として入山していただく旨をアナウンスしております。
      そのため、信越トレイルクラブとしてはホームページに踏破者としてお名前を掲載することができません。』
      とのことでした!確かにその通りだなーと。

      いえいえ!全くそのようなことは思いませんでした!むしろとても元気いただきました😃ありがとうございました!

      • 中野泰弘 より:

        無雪期だけですか。季節は問わないものだと勝手に思い込んでいました。認識不足でした。教えて頂きありがとうございます。
        私の思慮に欠けた行為にも、そのように言って頂けるとうれしいです。
        30年前奥秩父で入山前に地元の方から頂いた好意をそのまま真似させてもらっただけです。
        東屋での写真、いいですね!
        その2も楽しみです。

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