日本オートルート2022/04/17-21 その①

山のこと

北アルプスの山々をつないだ日本版オートルート。
憧れのルートへ、新穂高→双六谷→黒部五郎→五郎谷→雲ノ平→高天原→赤牛岳→口元ノタル沢→薬師見平→黒部川→廊下沢→五色ケ原→鬼岳裏面→雄山→山崎カールという滑り多めのアレンジ3泊4日(+α雷鳥沢で1泊して立山満喫)で行ってきました。

天気

曇ったり晴れたりな1日
夕方からは霧が出てきた
朝は晴れていたけど
次第に雪と雨
朝から快晴
稜線は風あり
文句なしの快晴
The Day!
高曇り
夕方から雨

「過去の天気図」
(気象庁ホームページより)

ルート図・標高図

山行概要

黒部横断に引き続き、今回のパートナーも、平日パートナー難民救世主のyosuke氏。
4月15日のアルペンルートの開通に合わせて、立山にベースを張って、4.5日間、色々滑るかーと言ってた当初。

スキーパトロールの仕事を終えてどこか行きたいねーと言ってたtakuma君に、
「17日から立山籠るけど一緒にどう?」と声をかけたら、
「あーオートルート行こうかなーと思ってたんよなー」と返事がきて、おお、その手があったのか!
何となくオートルートはGWのイメージが強かったし、視野にも入れてなかったので目から鱗状態。

日本オートルートとは、ヨーロッパ・オートルートに倣って名付けられた、立山室堂〜五色ヶ原〜薬師岳〜黒部五郎〜槍ヶ岳あたりを結ぶ、日本屈指のロングツアールートのことです。

私が山スキーをするようになって、目標にしていた憧れのルート。
スキー板を買うときに、
「いつかは日本オートルートに行きたいので、それっぽい板で!!」
と言って、今のブリザードのZeroGを見繕ってもらった経緯もあります。

先日スキーの友人たちと話してるときに、来週立山篭るんだよね〜みたいな話をしていたら、
「立山5日間居てもきっと、飽きちゃうよ〜!オートルートでも行ってきたら?」と言われたりしてたこともあったので、オートルートの機運が高まっていました。

yosuke氏に「オートルートもどうですか?」と言ったら
「上高地〜槍沢〜槍ヶ岳〜千丈沢〜樅沢岳〜樅沢岳〜三俣山荘〜岩苔小谷〜高天ヶ原山荘〜温泉沢左俣〜赤牛岳〜口元ノタル沢〜中ノタル沢〜廊下沢〜五色ヶ原〜ザラ峠〜獅子岳の登り途中から〜ー御山谷〜一の越〜立山 のオートルートなら行きたい」と言う斜め上の返信が来て、て言うかそれオートルートっていうの?笑

どうやら、山スキーヤーのバイブル「山スキー百山」に新ルートとして載っているルートを参考にしているらしい。
このルートだと5日間の私の休みでは足りなそうだったので、槍ヶ岳〜上高地は先週滑っているし、カットすることにして、新穂高からの短縮版で行くことに。

オートルートは室堂から入るのがセオリーだと思っていましたが、どうやら、1980年に新穂高から双六岳、薬師岳、室堂までの縦走が成されたのが最初のようで。
よりクラシックを追求するなら北上ルートということも相まって、適宜短縮したりしながら現場判断で行くことに。

0日目 2022/4/16(土) 自宅〜松本〜新穂高温泉

仕事終わりにyosuke氏と合流して、松本へ。
先述のtakuma君と入山日と下山日が被っていた&私たちは北上ルート、takuma君は南下だったので、お互いの車を使って車回収の手間を減らすことにした。

松本で集合して、下山後に相手の車に乗るので、それぞれの車にお風呂セット載せてたり、スペアキー渡したりして解散。
(このとき、私のpatagoniaのマイクロパフがなくて、「え??家に忘れた??え、、、😭😭😭今から取りに帰る?え、、、どうしよう、、、」ってなって、忘れ物をした自分にめちゃめちゃ落ち込んだけど、運転してる途中でyosuke氏が「え、ほんとごめん。かなちゃんの俺着てるわ」、て。
色がたまたま全く一緒だったので、間違えていたらしい。よかったーーー!!!!!ていうか、そんなことある??笑)

下山後に美味しいご飯食べようね〜、と
約束して解散。

yosuke氏と入山前の打ち合わせをマクド(笑)でして、新穂高温泉へ移動。
24時過ぎ就寝。

1日目 2022/4/17(日) 新穂高温泉〜わさび平~小池新道〜大ノマ乗越〜双六谷〜双六小屋〜2765m付近

4時起床。だらだら準備して、5:27 新穂高温泉出発。

日曜日なのに人少なめ。4/15に立山開通したからみんなそっちに行ってるのかな。

最初はブーツも担いで、サンダルで歩いていたけれど、林道にデブリが来ていて、
地味なトラバースが出て来たりしたので、ブーツ履いてシートラでわさび平まで。

所々土も出ているのでスキーは不適かな
大きなデブリあり

7:13 わさび平通過 ちょっと休憩して進む

小池新道沿いを進む

お天気そんなに悪くない

ある程度デブリを超えてからシールで進む。冬期は鏡平山荘経由でなく、大ノマ乗越に直登がセオリー?

乗鞍バックに進む
穂高方面がかっこいい(クリックで拡大)
槍ヶ岳〜大キレット(クリックで拡大)
大キレット〜穂高方面(クリックで拡大)

11:30 大ノマ乗越到着(2450m付近)

大ノマ乗越

このまま稜線沿いに双六まで進むか?という案も出たけれど、
「今日ここ滑らないと滑走ないですよ?!」となり、双六谷方面へ落とすことへ。

12:08 滑走開始 双六が見える 雪は緩んでいて滑りやすい

2180mの双六谷下部まで落としてシールに履き替え、双六小屋目指す。

双六南峰かな?テカテカしてる
双六小屋見えたー!!!

13:54 双六小屋到着

思ってたよりだいぶ雪少ない
1000円払えば泊まれる冬季小屋
内部はこんな感じ

双六小屋付近でこの後の作戦会議。
双六の斜面が良さそうだったので、上まで登って荷物を分岐において、一本落とそうか〜となり、登り始める。

雷鳥のつがい。かわいい

だけど登ってる途中、結構斜面がかたくて、これ滑っても微妙だな〜となり、もう少し進むことに。

ほとんど雪のない樅沢岳方面〜槍ヶ岳

双六と丸山の間のコルあたりで黒部五郎が見えて、うーーーん!あのカールやっぱり魅力的!
滑りたいよね〜となる。

黒部五郎のカールが見える

これ以上先に進んでも五郎のカールを滑るなら緩み待ちしなきゃいけないし、今日はこの辺りでビバークするか〜となりました。
15:48 1日目行動終了

雪洞の中にfinetrackのツエルト垂らして、超快適空間だった!

20時?21時くらい就寝

2日目 2022/4/18(月) 2765m付近〜三俣蓮華岳〜黒部五郎岳〜祖父谷〜雲ノ平〜高天原温泉

昨日の雪洞作りで服が濡れ気味+夏用のシュラフのyosuke氏はあまり眠れなかったようで。
夜何度か起きてトイレに行ったりしてて、私は何度か起きたけどそこそこ寝れた。
2人とも1:30くらいに目が覚めて、寒いからお湯を沸かしたいとのことだったのでお湯を沸かして私はココアを飲んだ。
前日に3時起床かな?と言ってたのでyosukeは二度寝しようとしていて、私はもう結構寝たし本でも読もうかな~と思っていたら、「やっぱり起きる!」と。
そこから朝ご飯作って撤収。3時半頃出発。

17日が満月だったので、ヘッデン要らず
山で迎える朝が本当に好き(クリックで拡大)

04:47 三俣蓮華岳通過 そのまま五郎小舎方面に向かって歩く
滑走できそうな場所でスキーを履いて五郎小舎に向けて滑走
まだ6時前なのでカリカリ。笑

五郎小舎への滑走 笠ヶ岳をバックに

5:48 五郎小舎到着

高曇り
こちらは冬季小屋 双六より広め?

黒部五郎山頂目指して登り始める。バーンかためなので、シートラで。

遠くに立山 手前に雲ノ平台地が広がる(クリックで拡大)

8:23 黒部五郎岳登頂。

ガスってきた
8:23 黒部五郎岳登頂

時間的にはよかったが、なんせ天気が悪いので雪が全く緩んでいない。
待っても緩まなさそうだし、雪もちらついてきたので、山頂より少し東の2671mピークあたりから9:00頃ドロップ。

ガッスガスの五郎カール
雲ノ平と五郎の間の黒部川方面に向かって滑走

9:25 2070m付近 黒部川到着

だんだん雪が強くなってくる
黒部川沿いを祖父沢方面に進む

この辺りはあまり滑っている記録などが見つけられず、沢筋の状況なども不確定だったが、
まぁ日程に余裕はあるし、ダメなら引き返す精神で。
渡渉できるかちょっと心配だったがなんとか、繋がっているスノーブリッジを渡る。

ちょっと緊張

そのまま祖父沢沿いに詰めていく。
祖父沢は概ね埋まっており快適に、雲ノ平方面まで登り返すことができた。
しかしながら私のシールがこの辺りから全くつかなくなって来て、板とシールの間に雪が詰まるように。
重たいし、なんやらで進まないので、途中からシートラで永遠のぼる。

12:25 雲ノ平山荘(2550m)着

やっぱり雪少ないのかな。あんまり埋まってませんね。

途中一瞬雪がやんで暑いタイミングがあってジャケットを脱いでいたのですが、この頃には結構強い雨になっていて、ジャケットを着るタイミングを逃してしまっており、かなり体が冷えてしまっていました。
休憩するときはちゃんとインサレーション着る、ジャケット着る は面倒くさがらずにちゃんとやるの大切。

雨がしのげそうな場所があったのでちょっと場所お借りして雨宿り

yosuke氏は眠かったようで仮眠とったり、長めに休憩をとる。
雨はやまない。高天原目指して13:40頃再出発。雲ノ平北東のプチピークから滑走準備。

滑走準備
意外と斜度ある

沢に合流し、あとはひたすら高天原山荘方面を目指して進む。

デブリがすごい
こんな感じのところを進んでいく

15:00 高天原山荘到着

初めての高天原

そこから温泉目指して温泉沢方面へ。
なかなかルート取りに時間がかかっってしまいましたがなんとか温泉沢へ。
結構な斜面だったので、滑っておりたほうが早いね、となって板履いて降りる。

滑って下部まで降りる
ここを渡渉しました

この辺り結構な雪?雨で余裕なくて一刻も早くビバークポイント見つけたい一心でした。笑
温泉は沸いていたところありましたが、水深5cmくらいで掘れるような砂地でもなかったので、
この日温泉に入って英気を養う案は粉々に砕け散りました….。残念。夏にリベンジですね。


16:00頃ビバークできそうな樹林帯を見つけてチャチャッと設営。

だんだん雨は弱くなって来た

この日はありとあらゆるものが濡れていたので、ツエルト内部の結露が半端なかった。
ずーーーーーっと幕を手ぬぐいでぬぐい続けていました。笑
この日は疲れていた&明日も早くに出発する予定だったので早めに19:30就寝。

1日目 行動時間10時間20分
新穂高温泉(05:28)→わさび平小屋(7:14)→大ノマ乗越(11:26)→双六小屋(13:55)→丸山手前2765m付近宿泊地(15:48)着
2日目 行動時間12時間17分
2765m付近宿泊地(03:43)→三俣蓮華岳(04:47)→黒部五郎小舎(05:47)→黒部五郎岳(8:20)→雲ノ平山荘(12:25)→高天原山荘(15:00)→高天原温泉近く宿泊地(16:00)着

その②に続く…..

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