日本オートルート2022/04/17-21 その②

山のこと

北アルプスの山々をつないだ日本版オートルート。
憧れのルートへ、新穂高→双六谷→黒部五郎→五郎谷→雲ノ平→高天原→赤牛岳→口元ノタル沢→薬師見平→黒部川→廊下沢→五色ケ原→鬼岳裏面→雄山→山崎カールという滑り多めのアレンジ3泊4日(+α雷鳥沢で1泊して立山満喫)で行ってきました。
高天原温泉まで進んだその①は こちら !!
その②では北アルプスの桃源郷とも言われる薬師見平を通過して、立山を目指します!

天気

曇ったり晴れたりな1日
夕方からは霧が出てきた
朝は晴れていたけど
次第に雪と雨
朝から快晴
稜線は風あり
文句なしの快晴
The Day!
高曇り
夕方から雨

「過去の天気図」
(気象庁ホームページより)

ルート図・標高図

山行概要

3日目 2022/4/19(火) 高天原温泉〜赤牛岳〜口元ノタル沢〜薬師見平〜黒部川〜廊下沢下部ビバーク地点

前日19:30頃に寝袋に入ってたこともあり、23:30頃に目が覚めて、寒いしさっさと歩くかーとなった。(途中お互い起きて湯たんぽ作り直したりしてました。)

2日目の、寝る前に雨が止んで、びしょ濡れになったザックや、服を外に干したんですが、夜の数時間でかなり乾いてました!すごい。放射冷却で半分凍る?ような感じでしたが、ザックの水分がだいぶ飛んで軽くなったのは大きかった。

1:55 シートラで出発。尾根の下部は結構急斜面&トラバース斜面で結構緊張する感じ。
でも、斜面は程よく硬く、ピッケルアイゼンバチ効きなのでありがたい。

この日も月明かりで登る
ずんずん登る

ひたすら尾根を登ってるとだんだん日が登ってきて、モルゲンタイムに突入。

綺麗な景色に夢中。ゆっくり進む。
そして赤牛〜水晶の主稜線へでる。5:51。
(全然関係ないけど、昨日同僚が大阪通ったときに買ってきてくれた551食べたけど美味しかったなー。)

朝日がまぶしいの顔
あ〜〜〜最高〜〜〜!!!

主稜線は風強くて時折煽られる。風がちょっと避けれる位置でシートラの板の位置を下にずらしたら、だいぶ煽られる強さが変わった。たかが数10cmズラすだけで全然違うものなんですね。

6:36 赤牛岳到着
まさかこんな時期に赤牛岳に来るなんて夢にも思ってなかったー。

ずいぶんと遠くまできたもんだ

山頂は風強くて寒いのでなんとか風の避けれるところに移動して、行動食やお湯を飲む。
久しぶりの電波が入ったけれど、寒すぎてそれどころじゃないので、takuma君に現在地だけ共有した。

ここでも作戦会議。
口元ノタル沢を落とすか、どうするか。

口元ノタル沢は下部までは落とせないので、どっちにしろ滑っても登り返しが必須。
今日のうちに五色ヶ原まで行くのはちょっと難しい。となると、その間でビバークするにも稜線続きで雪道掘る?
今日、薬師見平越えて、渡渉を済ませて、廊下沢の下部で泊まれば、4日目に頑張れば立山まで抜けられるよなーなど色々話して、落とすことに!

滑走準備して、いざ滑走!

立山方面を望む(クリックで拡大)

8:00ごろ 滑走開始

上部はちょっと硬めだけど、昨日の黒部五郎よりはマシ()
バーンも大きくて気持ちいい

30分くらい滑ったら2050mに到着。
ここからシートラで、2465mピークの横のコルを目指して登る。
シートラ切り替えやちょっと行動食も食べたりして2050mを9:00頃出発。

途中結構な急斜面の場所もあり、だけど雪はぐずぐずに緩んでてアイゼン効かないし私はすごい嫌でした。yosukeさんは高天原からの登りのツルツルバーンのが嫌だった〜と言ってて、人によって好き嫌いあるんだなーと思った。

暑かった〜〜〜

この日は日差しも強くってめちゃめちゃに晴れてて、日焼けがすごかった。
途中の木陰で休憩してたら、電波が入ったので、しばし休憩しながら、電波タイム。笑
黒部湖が見えていたので、そこの電波だろうな〜。(このあとは越中沢岳の稜線出るまで電波はなし)

のんびりのんびり登って2465mピーク横のコルが見えて来た。

コル目指してトラバースする

11時過ぎ、コル到着。

「あづい〜〜〜〜〜〜」の顔

日差し強すぎてつらい。
2465mピークの西側をまいて、薬師見平方面へ滑走できるポイントを探す。
シートラしてハイマツ帯をトラバース。

なかなかいい感じの画ですね。(クリックで拡大)

滑走ポイントに着いたらyosukeさんがピッケルどこかで落として来たー、とっ言って探しに行く。
その間に私は滑走準備。無事見つかったようで帰って来た。よかった。

ドロップポイントから立山方面を望む(クリックで拡大)

11:56 薬師見平に向けて滑走開始。稜線上はバーンも広くて滑りやすい。

そして薬師見平へ。
すごい!!!!めっちゃ景色が綺麗!!!!広い!!!!!

後ろに見えるのは薬師の山々(クリックで拡大)


薬師見平(やくしみだいら)とは黒部川の上流の標高2150m付近にある湿原。そのアクセスの難しさと、手付かずの自然から登山家らに“桃源郷”と呼ばれている。
登山道はなく、薬師見平の周囲を黒部峡谷の断崖と北アルプスの岩稜、猛烈なハイマツの藪に囲まれる為、アクセスは極めて困難で、ルートファインディングや岩稜歩き、藪漕ぎなどの技術を含め、卓越した登山能力を要する。

wikipedia より

ということらしい。私が薬師見平を知ったのは多分n.kさんが激薮漕ぎして薬師見平に行ってるのを見た時で、その時はこんなところがあるんだな〜と思ったけれど、まさか自分が来ることになるとは、、、。
夏に来るのは相当大変そうだが、スキーなら藪漕ぎしないし、赤牛岳から6時間程度で来れる。
12:15 薬師見平着

次来るときはここで泊まりたいな〜

薬師見平で泊まりたい気持ちをぐっとこらえて黒部川目指して進む。
中ノタル沢は多分下れないだろうから、その横の尾根を降る。
けっこうな急斜面だったがアドベンチャーぽくって楽しい(降りるのに必死で写真なし)
12:45 上廊下黒部川到着

黒部川見えたーーー!!!
川に降りようとする私(クリックで拡大)
中ノタル沢の一本東の沢は案の定滝が出ていた

黒部横断の時よりも川幅が狭いし、対岸が見えてるという精神的安定感すごい。


水深も多分膝ちょい上ぐらいですみそう。よかった。
ハードシェル脱いだり、お湯飲んだり、シートラの準備していざ渡渉!14:10

川底に降りるまで雪壁が1mくらいあるので
降りるのちょっと大変だった。
渡渉

対岸に渡り切っても1m弱の雪壁があるので、崩して階段作って登る。

雪壁崩す

廊下沢下部の雪崩走路を避けて幕営準備。
昨日で結構濡れてしまった諸々を干したりして、水場もあるし快適なテント場。

次の日も早いので17:30頃就寝

4日目 2022/4/20(水) 廊下沢下部〜越中沢岳〜五色ヶ原〜獅子岳〜鬼岳裏面〜御山谷〜雄山〜山崎カール〜雷鳥沢キャンプ場

22:30頃起床。朝ごはん食べて廊下沢アタック。
00:51 1610m廊下沢下部出発 この日もヘッデン要らないくらい明るい。
01:50 1910m付近通過

下部はシールで進む
上部はシートラで進む

途中お腹が痛くなったりしてゆっくりめに進む。
04:02 2350mコルに到着。風が強い&暗いので明るくなるまでツエルト張ってしばし休憩。

あったかいお湯が染みる
後ろにあるのは越中沢岳

5:42 英気を養って再出発。

立山方面
中央右にあるのが昨日滑った口元ノタル沢
地味な感じなのに、結構大きくて手強い越中沢岳

山頂まで行くのめんどくさがって私は2500m付近で登るのをやめて滑走モードへ。
6:43 2356mコルめがけて滑走開始

テカテカ固め
でもまぁ天気いいしオッケー!

6:54 2356mコル到着 シートラに切り替えて鳶山目指す

越中沢岳方面(クリックで拡大)
雷鳥かわいい!(クリックで拡大)

8:30頃 鳶山(2616m)到着 滑走準備して五色ヶ原方面へ

鳶山ピーク
五色ヶ原山荘が見える(クリックで拡大)

五色ヶ原からザラ峠手前まではなんとかトラバースして進めば板を脱がずに行けた(yosuke氏は脱いでた)
そして9:27 ザラ峠(2348m)到着

ザラ峠到着
ザラ峠から黒部横断で降りた
常願寺川方面を見る
雪がほとんどない獅子岳への道
3/28に黒部横断した時の同じ方面

20日くらい違うと雪の様子もかなり変わるんだなー。面白いですね。
またまたシートラにして獅子岳の登り頑張る。

雪はほとんどなくて登山道でてました
鎖も出てる

11:53 獅子岳山頂通過 地味に時間がかかってる。
山頂を超えたあたりで、向こうから人がくるのが見えた。
人!!!!!!!!!!!!
72時間以上、yosuke氏以外の人と接触してないので、テンションが上がる私。
こっちまでわざわざくるってことは、オートルートかな?

獅子岳と鬼岳の間のコルですれ違うと、「かなこちゃんだよね?!」と。
なんとtwitterのフォロワーさんだった。
世間狭い〜〜〜。
初めましてだったのだが、私のツイートを見て、新穂から出発してるな〜っと記憶してくださってたみたいで、声かけていただきました。嬉しい〜元気出た〜。

その後お二人は獅子岳の向こうの谷を落とす(山スキー百山の新ルートで落としていた谷で、我々も落とす?と迷った谷)らしく、獅子岳へ向かわれた。

小さく山頂付近にお二人が見える(クリックで拡大)


山スキー百山の新ルートに準じるなら、獅子岳の南の谷を落とすルート取りだった。
私は18時の暗くなるまでに雷鳥沢つけばいいや〜くらいに思っていたので、落としてもよかったのだが、yosukeさんは「そんな根性ないから一番疲れないコース取りで」とのことだったので、稜線伝いに行くことにしてました。
これは結果論ですが、獅子岳の登りに結局すごく時間がかかってしまったので、落としても時間的にはそんなに差がなかったかもしれない。

しかもすれ違ったお二人がその谷を落とすと言っていたので、落としてもよかったねーとなりました。
落としたいと思った沢は落としたほうがいい!笑 あとで後悔する。
でも時間遅くまで行動して事故とか起こすと、、、という懸念もあったりするし、判断難しいところ?

その後、鬼岳手前の谷で落とすことにして、滑走準備。
この辺りになると立山から近いので、人が多くなって来る。文明を感じる。
12:50頃滑走開始(2640m)

程よくザラメ

13:00 御山谷に合流して一の越目指して登り返し(2370m)。
日差し強くて、暑かったけど適度に風があった記憶。

鬼岳の表面?斜度もないので初心者にも良さそう
(クリックで拡大)
龍王岳の表面 こちらは地形で遊べそう
(クリックで拡大)

14:04 一の越山荘到着(2700m)
風が避けられるところで休憩。人がたくさんいた。
この後の予定を話し合う。どうしたい?と聞かれたのでもちろん、
「雄山登って雷鳥まで行きたい!」と即答。
その希望が承認されましたので(笑)、雄山にシートラで登って山崎カール滑って降りる事に。

14:33 雄山に向けて一の越山荘出発
ほとんど登山道でてるのでアイゼンは付けずに登って行く。

稜線は雪ほとんどない
室堂方面
浄土山方面
雄山までもうすぐ!

15:38 社務所裏到着
ここから山崎カールのドロップポイントまでは雪が繋がっておらず、でもちょっといやらしい感じなので、アイゼンつけてドロップポイントまで移動。

ギリギリ雪が繋がってない

16:00 滑走開始(2970m付近)

滑走開始!
縦走路は雪がほとんどない

上部はかため

上部はちょっとカリカリめ

2600mくらいまで落としたら最高のザラメバーン!!!!!

景色も雪も最高ーーーーー!!!(クリックで拡大)

今シーズンで一番気持ちの良い滑走でした。あ〜〜〜〜〜。(余韻)
立山初心者なので、先行者のトレースを頼りに雷鳥沢キャンプ場までいく。

16:23 雷鳥沢キャンプ場着
実は雷鳥沢に泊まるのは初めてなのです!(通過はしたことある)
4G入るし、トイレ付近はwifiあるし、文明を感じました…..

平日なので人は少なめ
蛇口から水が出る幸せを噛みしめる

水を溶かさなくていいし、気楽でありがたい。
明日は下山するだけだし、残った食料を消費する会開催。

夕日が綺麗 この日はめちゃめちゃ日焼けした
(クリックで拡大)
いろんなもの乾かす

21時ごろには就寝。

3日目 行動時間12時間44分
高天原温泉(01:55)→赤牛岳(6:36)→口元ノタル沢下部2050m(8:30)→薬師見平(12:10)〜廊下沢下部ビバーク地点(14:39)
4日目 行動時間15時間32分  
廊下沢下部(00:51)廊下沢コル(4:00)→ザラ峠(9:30)→獅子岳(11:53)→鬼岳裏面上部(12:40)→御山谷2370m(13:00)→一ノ越(14:05)→雄山(15:35)→山崎カール→雷鳥沢キャンプ場(16:23)

その③に続く…..

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